肩峰下疼痛症候群(SAPS)/武庫之荘・整骨院
2022/10/20
肩峰下疼痛症候群(SAPS)
SAPSはsubacromial pain syndromeの略で、肩峰下疼痛症候群と呼ばれています。
基本的な解剖学
肩は基本的に上腕骨が肩甲骨の一部である関節窩にはまる事によって肩の動きが起こります。軟部組織(筋肉、腱、関節包の組織)によって固定され、腕を動かしたり回したりすることで、様々な動きを可能にしています。SAPSは、肩峰(肩甲骨)の下と上腕骨の上部にある構造物から発生する痛みです。この空間には、腱板腱、滑液包(摩擦を軽減する液体が入った袋)、靭帯など、多くの構造物があります。これらのいずれもが、さまざまな理由により痛みを生じる可能性があります。
SAPSの症状
SAPSの患者は通常、肩関節および/または上腕に痛みを訴えます。痛みは一定であったり、断続的であったりし、症状は特定の活動、特に腕を肩の高さ以上に上げる活動で悪化します。腕を体から離すと(外転)痛みが生じ、患側を下にして寝ると痛みが生じます。症状は、動作の低下、脱力感、睡眠障害につながることがあります。首や背中の上部の痛みやこわばりもよく起こります。これらの症状は、すぐに仕事や日常生活に影響を及ぼし始めます。
原因
・姿勢の機能障害(特に胸椎の前弯の増加や「丸まった肩」)。
・反復的な活動、特に頭上の場合。
・肩峰の湾曲や骨棘などの解剖学的変異。
・転倒や腕を引っ張られるなどの急性外傷。
・運動/ジム/スポーツの不適切な方法、フォーム
・大胸筋の柔軟性低下
・肩甲骨の安定性低下
・筋肉のアンバランス
これらの要因のうち、1つでも当てはまれば、肩峰下構造の退行性損傷や断裂を引き起こす可能性があります。
SAPSの治療法
SAPSの治療には、SAPSの発症に寄与した要因を認識することが必要です。発症する原因は違っていて、SAPSにつながる要因はたくさんあります。したがって、治療プログラムを各個人の問題に合わせて作ることが必要になります。SAPSでは、病歴、姿勢、可動域、筋肉の長さと強さ、頚胸椎の可動性、上腕骨付属運動など、すべてを検査する必要があり徹底的な評価から得られた所見により、各個人のSAPSからの治療とリハビリテーションが決まります。
リハビリテーション
- 姿勢の再教育とエクササイズ
- 肩甲骨ストレッチ
- 筋力強化エクササイズと肩甲骨の安定化
- 脊椎エクササイズ(肩甲骨の動作補助)
肩の痛みやお身体のお悩みがありましたらくわえ鍼灸整骨院へご相談ください。